随時客を迎えて和風料理の供応にあたる業者。料亭、割烹(かっぽう)店ともいい、中国飯店やレストラン(西洋料理)とはいちおう区別されている。料理とは食物調理または調理された食物の意ではあるが、おもに和風の正式食事(本膳(ほんぜん)仕立て)をさすようになり、酒と給仕女を伴う饗宴(きょうえん)方式をおのずから伴うことになった。中世以後喫茶の風習の一般化とともに茶屋が発達し、やがて料理茶屋の分化をみる。それは近世都市の遊里茶屋や岡場所の料理茶屋としてその後多彩な発達を遂げるが、すべてまったくの遊楽社交の場と化して、料理の供与などは添え物にすぎなくなった。一方「茶道」の普及発達によって、「酒ぬき」の形で料理自体を「好み」に応じて楽しむ風趣が生じ、いわゆる「懐石料理」の筋道が成立する。そして近世末期には、会席料理と称し「一人一膳」方式で客の「好み」に応じて食事を供与する業者が生じて、別趣の料理屋の系列が生まれた。そして本膳料理のほか、スッポン、ウナギなどの特殊料理を売り物にするものが生じたり、あるいは煮売茶屋の系列につながる「店商い」の鮨(すし)屋、天婦羅(てんぷら)屋、蕎麦(そば)屋などにも、座敷を構えて料理屋風の業態をとるものも生じてくる。こういう料理屋の多面的な発達は明治以後のことで、宴席料理主体の高級料亭から、円卓を囲んで特殊料理を楽しむ割烹店、あるいは大衆食堂に近い小料理店の類まで多種多様で、さらには現在、洋風、中国風の料理店業者とも広く混交の形を呈している。
[竹内利美]
…江戸時代に使われたことばで,現在では料理屋,割烹(かつぽう)店,料亭などと呼ぶ。室町時代に一服一銭の茶を売ることに始まった茶屋が発展してさまざまな分化をとげた中で,とくに飲食の美を楽しもうという欲求にこたえて成立したものである。…
※「料理屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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