草津道(読み)くさづみち

日本歴史地名大系 「草津道」の解説

草津道
くさづみち

中世には保科ほしな宿を通る菅平すがだいら越えの道と並んで、志賀しが越えの草津道は細々ながら関東道として奥信濃の人々に利用されていた。

近世に入り、江戸幕府は関東の防衛上から交通統制を実施し、草津道は公的に差し止められ、山越えのいわば単なる抜道の取扱いを受けて黙認されてきた。しかし時代の要請から文化・文政(一八〇四―三〇)頃には善光寺平北部と草津・前橋まえばし方面を結ぶ経済的な動脈となってきたので、公的に交通上独占的な特権を主張する大笹おおざさ道沿いの宿場は、松代藩領の沓野くつの湯田中ゆだなか佐野さの村及び上州草津・入山いりやまの五ヵ村に抗議してきた。事実、宿場側は公用の幕府や当該藩の役人・武士の荷物は自己の担当で継送りする義務を課せられていたので、その負担の埋合せは結局民間荷物から得る輸送賃と口銭で補うほかはない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android