草迷宮(読み)クサメイキュウ

デジタル大辞泉 「草迷宮」の意味・読み・例文・類語

くさめいきゅう【草迷宮】

泉鏡花小説。明治41年(1908)刊行。死んだ母親面影を求めて旅をする青年の彷徨を描く。

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改訂新版 世界大百科事典 「草迷宮」の意味・わかりやすい解説

草迷宮 (くさめいきゅう)

泉鏡花の中編小説。1908年(明治41)春陽堂より単行出版。亡母の面影と重なる手まり唄を求めて,放浪の旅に出た青年が,三浦半島の秋谷,草の迷宮ともいうべき,うっそうたる草木に覆われた屋敷至り,そこで怪奇な魔人や美しい妖女らに見守られながら,夢の界域でついに手まり唄とめぐりあう。目もあやな色彩感に支えられ,夢と現実を自在に往還しながら,母恋いのまり唄に誘われてゆく,妖しくも美しい幻想譚。寺山修司監督で78年映画化。
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