荒巻き(読み)あらまき

精選版 日本国語大辞典 「荒巻き」の意味・読み・例文・類語

あら‐まき【荒巻・新巻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 主として魚を、あし、わら、竹の皮などで巻いたもの。鳥獣の肉、山の産物などを巻くこともあった。つと。すまき。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「淡路の守源の頼親の朝臣の許より鯛の荒巻を多く奉たりけるを」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)
    2. 「やまのいものあらまき、ところのをりなとまいる」(出典:御湯殿上日記‐文明一五年(1483)四月三〇日)
  3. ( もと、荒縄で巻いたところから ) 甘塩のサケ内臓を除き、腹の中などに塩を詰めたもの。北海道の名産。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「上等の鮭の荒巻(アラマキ)をお歳暮にお届けしよう」(出典他所の恋(1939‐40)〈正宗白鳥〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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