菊水鉾町(読み)きくすいほこちよう

日本歴史地名大系 「菊水鉾町」の解説

菊水鉾町
きくすいほこちよう

中京区室町通錦小路下ル

南北に通る室町むろまち(旧室町小路)を挟む両側町。北側は一部錦小路にしきこうじ(旧錦小路)に接する。

平安京条坊では、左京四条三坊二保五町東及び同三保一二町西。平安中期以降は四条室町小路北にあたる。

室町時代、応永四年(一三九七)九月一七日の綿売本神人人数注文(祇園社記)によると「錦小路南室町東頬 二人」とあって、この地に祇園社綿本産神人二人の名がみえる。

元亀二年(一五七一)の上下京御膳方御月賄米寄帳(立入宗継文書)には、下京中組のなかに「ゑひす(夷)の町」とあり、「年頭御拝礼参府濫觴之扣」(六角町文書)の天文六年(一五三七)正月三日の記録に、室町殿年頭拝礼の入目を中組が負担している。祇園会の菊水鉾は応仁の乱以前から当町にあったようだ。

寛永一四年(一六三七)洛中絵図に「ゑずや町」とあり、寛文期(一六六一―七三)までの中井家系諸図はこれを記す。元禄末期洛中絵図に初めて「菊水鉾町」がみえる。ただし寛文後期洛中洛外之絵図は「ゑひすの町」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android