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菊慈童 きくじどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

菊慈童
きくじどう

能の曲名。四番目物。作者未詳。各流にあり,観世流以外は『枕慈童』という。観世の『枕慈童』は別の曲。中国の魏の文帝の臣下 (ワキ) が,勅命によりれき県山のふもとに湧出る薬水をたずねていくと,菊の花の咲き乱れた山中の庵 (舞台正面の菊籬をめぐらした一畳台に枕を置き,大小前に菊籬をつけた藁屋に引回しをかける) で菊慈童 (シテ〈慈童面,黒頭,法被か唐織壺折,菊の葉うちわ〉) に会う。周の穆 (ぼく) 王に仕えた慈童で,枕をこえた罪で流されたが,王から賜わった枕の『普門品』の2句の偈 (げ) を菊の葉に書き写したところ葉の露がしたたって不老不死の薬となり,それを飲んで 700歳を保っていることを語り,その菊水をすすめて,慈童は山路の仙家に入る。小書 (こがき) に,金剛流の「前後」「盤渉 (ばんしき) 」,梅若の「遊舞之」などがある。『太平記』巻十三「龍馬進奏事」の話を出典とするという。長唄にも取入れられているほか,上方舞に同名曲がある。

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デジタル大辞泉の解説

きくじどう【菊慈童】

穆王(ぼくおう)に愛された侍童(じどう)。罪を犯して南陽郡酈県(れきけん)に流され、その地で菊の露を飲んで不老不死の仙人になったという。
謡曲「枕慈童(まくらじどう)」の観世流における名称。

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世界大百科事典 第2版の解説

きくじどう【菊慈童】

(1)能の曲名。観世流の名称で,他流はすべて《枕慈童(まくらじどう)》と称する。枕慈童【横道 万里雄】(2)歌舞伎舞踊。長唄。1758年(宝暦8)7月江戸市村座初演。本名題《乱菊枕慈童(らんぎくまくらじどう)》。作詞堀越二三治,作曲杵屋(きねや)忠次郎。人形後見藤井小八郎を市村亀蔵(のちに9世羽左衛門),人形菊慈童を中村初五郎が演じた。謡曲《菊慈童》を翻案したもの。舞踊は中絶,現行は能同然の扮装で上演される。

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大辞林 第三版の解説

きくじどう【菊慈童】

○ 周の穆王ぼくおうに仕えた侍童じどう。罪あって南陽郡の酈県れきけんに流され、その地で菊の露を飲み不老不死の仙童となったという。慈童。 → 菊水きくすい
能の一。四番目物。の伝説を脚色したもの。観世流以外では「枕まくら慈童」。

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世界大百科事典内の菊慈童の言及

【枕慈童】より

…能の曲名。観世流は《菊慈童》と称する。観世流でいう《枕慈童》は同趣向の別作品。…

※「菊慈童」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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