大部分の広葉樹や一部の針葉樹では、枝や幹を切ると、切り口付近の休眠芽などから芽を吹き、新しい枝や幹を生じる。これを萌芽、ひこばえという。地表近くで幹を切り、萌芽によって育てた林を萌芽林(ぼうがりん/ほうがりん)とよぶ。萌芽林をつくるには、萌芽した枝を適度に切り取り、将来幹となる枝の本数を調節し、適正な密度の林にすることが重要である。もっとも多いのは薪炭材生産を目的としたクヌギ、ナラ類の林である。昭和20年代から30年代ごろの燃料革命により薪炭材の需要は激減したが、その後はパルプ原材料、シイタケの栽培原木の生産などにもいくらか用いられてきている。今後は、ふたたびバイオマスエネルギー原料として、あるいはパルプ原材料の国内供給源としてその存在が必要とされる可能性がある。萌芽の発生と成長は伐(き)る時期と関係が深く、貯蔵養分の多い2~3月がよいとされている。
[蜂屋欣二・藤森隆郎]
…ジャングルとは熱帯の密林という意味に使われているが,成熟した森林というより若い二次林をさすことが多い。おもに萌芽によって再生した二次林は萌芽林とも呼ばれる。【堤 利夫】。…
※「萌芽林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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