おとし‐ばなし【落話・落咄】
- 〘 名詞 〙
- ① 終わりに、しゃれや語呂合わせなどで、「落ち」を付けて、面白く結ぶ話。軽口。落語。
- [初出の実例]「一つふたつ大坂より参りたる落(ヲト)しばなし」(出典:浮世草子・武道伝来記(1687)八)
- ② 転じて、はなし家。落語家。
- [初出の実例]「落語家(オトシバナシ)を連れて来て」(出典:合巻・教草女房形気(1846‐68)三)
落し話の語誌
( 1 )はじめは単に「はなし」、天和・貞享(一六八一‐八八)のころ上方で「軽口」「軽口ばなし」と呼ばれ、明和・安永(一七六四‐八一)のころから江戸小咄の流行にともなって「おとしばなし」と呼ぶようになった。
( 2 )あて字「落語」を音読みした「らくご」は明治二〇年代(一八八七‐九六)から普及し始め、ラジオ放送によって昭和に入ってから一般に「らくご」と呼ぶようになった。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の落し話の言及
【小咄】より
…短い話の意もあるが,普通は,笑わせる目的のちょっとした話をさし,落語の〈[まくら]〉などに使われる笑話([笑い話])をいう。この種の笑話は,江戸時代には,[軽口](かるくち),落し噺などと呼ばれていたが,明治中期以後,長い一席の落語に対して,まくらの笑話や,短時間で高座をおりる落語家の短い笑話をいうようになった。現在では,江戸小咄,フランス小咄などと,文字による笑話も小咄と称している。…
【落語】より
…日本の大衆芸能の一種。滑稽なはなしで聴衆を笑わせ,終りに落ちをつける話芸。演出法は,落語家が扇子と手ぬぐいを小道具に使用し,講談や浪曲(浪花節)のような叙述のことばを省略して,会話と動作によってはなしを展開する。はじめは,単に〈はなし〉といわれ,この言いかたは,現在も〈はなしを聴きに行く〉とか,〈はなし家〉とかいうように残っているが,天和・貞享(1681‐88)以後は,上方を中心に,〈軽口(かるくち)〉〈軽口ばなし〉などと呼ばれ,この上方的呼称である〈軽口〉時代が,上方文学の衰退期である明和・安永(1764‐81)ごろで終わり,文学の中心が主として江戸に移って,江戸小咄時代になると,もっぱら〈落(おと)し咄〉というようになった。…
※「落し話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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