日本大百科全書(ニッポニカ) 「葉巻銀河」の意味・わかりやすい解説
葉巻銀河
はまきぎんが
おおぐま座にある不規則銀河。カタログ番号はM82、NGC3034。おおぐま座のα(アルファ)星付近にあり、肉眼では見にくいが、全体が葉巻の形をしていて、口径10センチメートル程度の望遠鏡で複雑な構造がわかる。近くにある大きな銀河M81の影響で爆発的な星生成(スターバースト)を起こしていると考えられており、そのため中心部から極方向に向かって電離した水素ガスが吹き出していると思われる。本来は渦状銀河を横から見ているだけなのだが、スターバーストなどによる爆発的なガスの流出により外形が渦状銀河に見えず、見た目から不規則銀河に分類されている。M81とともにM81銀河群を形成している。地球からの距離は約1150万光年。実視等級は9.3等、視直径は11分×5分程度。4月初旬の午後9時ごろに真上の空に見える。
[編集部 2023年2月16日]