著釱の政(読み)ちゃくだのまつりごと

改訂新版 世界大百科事典 「著釱の政」の意味・わかりやすい解説

著釱の政 (ちゃくだのまつりごと)

盗犯,私鋳銭などの犯人に釱(かなぎ)と称する首かせをつけて衆人の中に連行し,見せしめとして懲罰を加える儀。平安時代の初頭に始められ,10世紀中ごろの儀によると,5月と12月に日をえらび東市または西市に検非違使庁看督長(かどのおさ)が囚人を率いて至り,衛門佐以下の官人らが囚人の過状にもとづいて釱を着けさせて獄に送っている。また罪状によっては即日決杖されたのち原免されることもある。服役を免ぜられた者はその釱をはずされ,看督長が懐中より取り出した烏帽子を与え,放還することもあった。鎌倉時代以後この儀は有名無実となって,単なる年中行事の一種になったが,江戸時代に検非違使の制が再興されるや,この儀も再興された。しかし囚人に擬せられた者を洛北の鞍馬村から召し出し,釱の代りに白布を首にかけさせ,検非違使が笞でうつまねをする形式的行事となり,京の治安維持をはかる儀式となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 米田

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む