蒟蒻・菎蒻(読み)こんにゃく

精選版 日本国語大辞典 「蒟蒻・菎蒻」の意味・読み・例文・類語

こん‐にゃく【蒟蒻・菎蒻】

[1] 〘名〙
サトイモ科の多年草。インドシナの原産で、日本では群馬県を中心に福島県、茨城県などの山間の傾斜地に栽培される。茎は高さ一メートル以上になる。地下に径二〇センチメートルぐらいの扁球形の球茎をつくる。葉柄直立、淡緑紫色の斑点を密布。葉はやや不規則な羽状に裂け中軸には翼がある。夏、広卵形で緑色の仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれた長さ約四〇センチメートルの円柱状の肉穂をつける。球茎から②や工業用ののり、防水塗料などをつくる。冬に芋を掘りだして②をつくることが多いため、「こんにゃく掘る」「こんにゃく干す」など冬の季語として用いられることもある。漢名、蒟蒻。こんにゃくいも。こにゃく。〔文明本節用集(室町中)〕
② ①の球茎を原料とした食品。球茎を煮てつぶすか、あるいは乾燥して粉にしたものを煮てのり状にし、石灰乳を加えて固めたもの。
※鈴鹿家記‐延元元年(1336)二月一二日「夕食汁〈鮒 わかめ〉鮎のぬたなます 仁物〈かまほこ こんにゃく〉」
③ いくじのない人をののしっていう語。
※洒落本・寸南破良意(1775)息子株「こんにゃくには、此位女郎は、ない物のように、しらぬ人はいへども、此所ほど落かしらの有所はなし、かういふほり出し、まま有ことなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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