蒟蒻(読み)コンニャク

デジタル大辞泉 「蒟蒻」の意味・読み・例文・類語

こん‐にゃく【××蒻/××蒻】

サトイモ科の多年草。地下茎は大きい扁球へんきゅう形で、高さ約1メートルの葉を1枚伸ばす。葉は二股状に分かれ、さらに不規則に裂けている。葉の出ない年の初夏、高さ約1メートルの花茎を伸ばし、仏炎苞ぶつえんほうをもつ花をつける。インドシナ原産で、古くから栽培。こにゃく。 花=夏》「―の咲く薬園のきつねあめ/蛇笏
1の地下茎を粉にしたものを水で練り、石灰液を加え、ゆでて固まらせた食品成分のほとんどは水分で、グルコマンナンを含む。

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精選版 日本国語大辞典 「蒟蒻」の意味・読み・例文・類語

こん‐にゃく【蒟蒻・菎蒻】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. サトイモ科の多年草。インドシナの原産で、日本では群馬県を中心に福島県、茨城県などの山間の傾斜地に栽培される。茎は高さ一メートル以上になる。地下に径二〇センチメートルぐらいの扁球形の球茎をつくる。葉柄直立、淡緑紫色の斑点を密布。葉はやや不規則な羽状に裂け中軸には翼がある。夏、広卵形で緑色の仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれた長さ約四〇センチメートルの円柱状の肉穂をつける。球茎からや工業用ののり、防水塗料などをつくる。冬に芋を掘りだしてをつくることが多いため、「こんにゃく掘る」「こんにゃく干す」など冬の季語として用いられることもある。漢名、蒟蒻。こんにゃくいも。こにゃく。〔文明本節用集(室町中)〕
    2. の球茎を原料とした食品。球茎を煮てつぶすか、あるいは乾燥して粉にしたものを煮てのり状にし、石灰乳を加えて固めたもの。
      1. [初出の実例]「夕食汁〈鮒 わかめ〉鮎のぬたなます 仁物〈かまほこ こんにゃく〉」(出典:鈴鹿家記‐延元元年(1336)二月一二日)
    3. いくじのない人をののしっていう語。
  2. [ 2 ]こんにゃくじま(蒟蒻島)」の略。
    1. [初出の実例]「こんにゃくには、此位の女郎は、ない物のように、しらぬ人はいへども、此所ほど落かしらの有所はなし、かういふほり出し、まま有ことなり」(出典:洒落本・寸南破良意(1775)息子株)

こ‐にゃく【蒟蒻】

  1. 〘 名詞 〙こんにゃく(蒟蒻)本草和名(918頃)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蒟蒻」の解説

蒟蒻 (コンニャク)

学名Amorphophallus konjac
植物。サトイモ科の多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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