蓼喰ふ虫(読み)タデクウムシ

デジタル大辞泉 「蓼喰ふ虫」の意味・読み・例文・類語

たでくうむし〔たでくふむし〕【蓼喰ふ虫】

谷崎潤一郎小説。昭和3~4年(1928~1929)発表離婚機会を待っている名目だけの夫婦、要と美佐子の心理的経緯を描く。古典的、純日本的なものへ回帰する作者転機を示した作品

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精選版 日本国語大辞典 「蓼喰ふ虫」の意味・読み・例文・類語

たでくうむしたでくふむし【蓼喰ふ虫】

  1. 小説。谷崎潤一郎作。昭和三~四年(一九二八‐二九)発表。東京から関西に移住した資産家の夫婦が、それぞれ愛人をもちかたちだけの夫婦生活を送っているが、離婚しようとしても容易に実行できない。男はそんな生活のなかでしだいに伝統的な文化と古い女の魅力にひかれてゆく。作者の伝統的古典文化への傾倒を示す作品。

たで【蓼】 食(く)う虫(むし)

  1. 初夏、蓼の辛い新葉を食う虫。たでむし。もの好きなもののたとえとする。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「蓼くふ虫よりはるかましじゃ」(出典:波形本狂言・縄綯(室町末‐近世初))

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