蔵入(読み)くらいり

精選版 日本国語大辞典 「蔵入」の意味・読み・例文・類語

くら‐いり【蔵入】

〘名〙
① 蔵の中に入れておくこと。また、そのもの。
※浮世草子・西鶴織留(1694)一「通り町に両替店出して、何万両とも蔵入の奥をしれる人なく」
② 劇場などの興行の純利益。また、それが多いこと。
滑稽本・妙々痴談返註録(1833)下「興行二百日と積り蔵入(クライリ)がいくら、給金がいくらと勘定して」
③ 江戸時代、毎年一〇月ごろ、大坂蔵屋敷新米諸藩から運び込まれ、米蔵へ入れられること。
※大坂繁花風土記(1814)年中行事「諸蔵屋敷へ蔵入とて、日々俵ものを曲持ちす」
④ 収入。収益
※浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四「臨時の蔵入(クライリ)大分ありて、自分の栄燿遣ひ沢山成べし」
※伊達家文書‐元和二年(1616)一〇月二七日・伊達政宗領知黒印状「都合弐百貫文之所を知行に可下置候。其外は蔵入に可仕者也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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