精選版 日本国語大辞典 「蔵入」の意味・読み・例文・類語
くら‐いり【蔵入】
- 〘 名詞 〙
- ① 蔵の中に入れておくこと。また、そのもの。
- [初出の実例]「通り町に両替店出して、何万両とも蔵入の奥をしれる人なく」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)一)
- ② 劇場などの興行の純利益。また、それが多いこと。
- ③ 江戸時代、毎年一〇月ごろ、大坂の蔵屋敷に新米が諸藩から運び込まれ、米蔵へ入れられること。
- [初出の実例]「諸蔵屋敷へ蔵入とて、日々俵ものを曲持ちす」(出典:大坂繁花風土記(1814)年中行事)
- ④ 収入。収益。
- [初出の実例]「臨時の蔵入(クライリ)大分ありて、自分の栄燿遣ひ沢山成べし」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四)
- ⑤ =くらいりち(蔵入地)
- [初出の実例]「都合弐百貫文之所を知行に可二下置一候。其外は蔵入に可レ仕者也」(出典:伊達家文書‐元和二年(1616)一〇月二七日・伊達政宗領知黒印状)