薄氷を踏む(読み)はくひょうをふむ

精選版 日本国語大辞典 「薄氷を踏む」の意味・読み・例文・類語

はくひょう【薄氷】 を 踏(ふ)

(薄くて割れやすい氷の上をふむの意。「詩経小雅・小旻」の「戦戦兢兢、如深淵、如薄氷」による) ひじょうに危険な状況にのぞむことのたとえ。うすごおりをふむ。氷を歩む。
春記‐長暦四年(1040)一〇月一八日「下官一人執行諸事、愚頑更以無術。又踏薄氷之代也。触事有憚」

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故事成語を知る辞典 「薄氷を踏む」の解説

薄氷を踏む

非常に危険な状況にあることのたとえ。

[使用例] 私は、私の家庭においても、絶えず冗談を言い、薄氷を踏む思いで冗談を言い、一部読者批評家想像を裏切り[太宰治桜桃|1948]

[由来] 「詩経―小雅・しょうびん」の詩の一節から。非常に注意深くものごとを行うようすを、「しんえんに臨むがごとく、薄氷をむがごとし(崖っぷちから深い底をのぞくときのように、あるいは薄い氷の上に足を載せるときのようにする)」とたとえています。

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