桜桃(読み)オウトウ

デジタル大辞泉 「桜桃」の意味・読み・例文・類語

おう‐とう〔アウタウ〕【桜桃】


バラ科サクラ属の落葉小高木。晩春、葉より先に白い花をつけ、6月ごろ、球形で紅色の果実がなる。中国の原産で、日本へは明治初期に渡来。みざくら。しなみざくら。
食用になる桜ん坊。また、その果実をつける種または品種総称セイヨウミザクラなど。 実=夏 花=春》「―のこの美しきもの梅雨の夜に/澄雄」
ユスラウメ別名
[類語]葉桜夜桜豆桜彼岸桜江戸彼岸枝垂れ桜・紅枝垂れ・山桜大島桜里桜八重桜染井吉野

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精選版 日本国語大辞典 「桜桃」の意味・読み・例文・類語

おう‐とうアウタウ【桜桃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 元来、中国産のミザクラ漢名。今日わが国では、もっぱらセイヨウミザクラをさし、また、広義には、スミノミザクラなどを含めていうこともある。また、それらの実。《 季語・夏 》

▼おうとうの花《 季語・春 》 〔本草和名(918頃)〕

  1. 植物「ゆすらうめ(英桃)」の古名。〔和漢三才図会(1712)〕〔漢書‐叔孫通伝〕
  2. 美人や美人の唇をたとえていう。
    1. [初出の実例]「二少女は相伴ひ欣然として其の家を立出でける恰も是れ双蓮水を出て桜桃妍を競ふ」(出典:経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後)

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普及版 字通 「桜桃」の読み・字形・画数・意味

【桜桃】おうとう(あうたう)

ゆすらうめ。また、さくらんぼ。唐・李白〔久別離〕詩 別來、春か未だ家にらず 玉五たび見る、櫻桃の

字通「桜」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「桜桃」の解説

桜桃

太宰治短編小説。1948年5月、雑誌新潮」に掲載。太宰の忌日桜桃忌」の名の由来となっている。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「桜桃」の解説

桜桃 (ユスラウメ・ユスラ)

学名:Prunus tomentosa
植物。バラ科の落葉低木,薬用植物

桜桃 (オウトウ)

植物。バラ科の園芸植物

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世界大百科事典(旧版)内の桜桃の言及

【サクラ(桜)】より

…沖縄では1~2月に開花し,関東以南の暖地でも2~3月の早春に咲くサクラとして植えられている。まれに栽培されている中国原産の桜桃(おうとう)とよばれるシナミザクラP.pseudocerasus Lindl.も,大木にはならないが花期の早いサクラである。しかし,俗にサクランボといって果実を食用にしているセイヨウミザクラP.avium L.の花は4月になってから咲く。…

【サクランボ(桜坊)】より

…バラ科の落葉果樹。園芸上は核果類に属し,オウトウ(桜桃)という。サクラ類の果実は1個の核をやわらかく多汁な果肉が包みこんでいるので,多くのものが食べられ,ソメイヨシノやヤマザクラの果実も苦くて美味ではないが,子どもが遊びに食べることがある。…

※「桜桃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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