薬園町(読み)やくえんちよう

日本歴史地名大系 「薬園町」の解説

薬園町
やくえんちよう

[現在地名]熊本市薬園町

菊池往還(現妙体寺前交差点から薬園町六番地と七番地の境界道)の東、大津おおづ往還・豊後街道の北、東は子飼の七軒こかいのしちけん町に接し、北は熊本城下の区画となる土居(現黒髪小学校正門前道路)に囲まれる。名称は藩の薬草園が宝暦六年(一七五六)この地に開設されたことに由来する。明暦(一六五五―五八)頃には竹部たけべ村の畑地であった。その後城下に組入れられたが、江戸時代には武家屋敷のため町名がなく、明治一三年(一八八〇)薬園町と名付けられ、当町に立田口中たつだぐちなか通北側・菊池往還東側・竹部ひがしノ丁を含めている。立田口中通は大津往還・豊前街道で、西端は菊池往還口、東は薬園町の町域の境目となる久本きゆうほん寺東側までの通り全体を称している。竹部東ノ丁は薬園町の北を限る道である。天和(一六八一―八四)頃には当町域は下屋敷となり、薬園町東側の七軒町小幡おばた町は武家屋敷となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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