薬師丸(読み)やくしまる

日本歴史地名大系 「薬師丸」の解説

薬師丸
やくしまる

中世の石田郷内にみえる地名で、史料上は薬師丸名とも記される。現石田町池田仲触いけだなかふれ真弓まゆみの辺りに比定される。永仁五年(一二九七)一一月九日の尼長阿譲状(宗像神社文書、以下断りのない限り同文書)に壱岐島石田郷薬師丸とみえ、尼長阿はこれ以前に壱岐尼から譲与されていた当地の所職田畠山野などを草野次郎(円種)に譲っている。円種は肥前松浦まつら郡のかがみ(現佐賀県唐津市)の宮司草野氏の一族であるが、建治二年(一二七六)正月一二日の尼明阿弥陀仏譲状(前欠)があること、同日付の薬師丸本主譲状草野後家仮名書状があったことから(応永一六年四月一五日宗像社家文書惣目録)、壱岐尼らも草野氏にかかわる後家と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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