藤三位庄(読み)とうさんみのしよう

日本歴史地名大系 「藤三位庄」の解説

藤三位庄
とうさんみのしよう

平安時代―室町時代の弘誓ぐぜい(現京都市南区、藤原長実創建)領の庄園。久寿二年(一一五五)一二月二九日の太政官符案(随心院文書)によれば、「藤三位勅旨」は揖西いつさい余戸あまるべ郷内の田一五町・在家七〇宇の小庄園であるが、弘誓院が美福門院(長実娘、鳥羽天皇皇后)御願寺とされて、他の弘誓院領六庄とともに不輸不入の特権を認められた。承久四年(一二二二)四月五日の太政官牒(同文書)によれば、当庄など五庄は康治二年(一一四三)本領主長覚が弘誓院に寄進し自身は預所となったが、預所法橋顕縁が当庄を他人に沽却しようとしたため解任され、その後の預所(長覚子孫)も庄田の一部を他の権門に寄進するなどしたため、本来の庄田や年貢が減少した弘誓院は支配回復を訴え出て、承久四年に同院旧領の支配と諸役免除の特権を認められている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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