朝日日本歴史人物事典 「藤原公光」の解説
藤原公光
生年:大治5(1130)
平安末期の公卿,歌人。権大納言藤原季成と民部卿藤原顕頼の娘の子。同母姉妹,高倉三位成子は後白河上皇との間に守覚法親王,以仁王,式子内親王,休子内親王らを生む。その縁もあり後白河上皇に近侍し,左衛門督,従二位まで順調に上るが,仁安1(1166)年突然解官される。前年末に甥の以仁王が出家せずに元服したことが,当時上皇の寵愛を受け,皇子(のちの高倉天皇)を生んだ建春門院滋子の恨みを買ったのかとも思われるが不詳。以後復官なきままに病没した。管絃,歌謡,漢詩などにも巧みだが,『歌仙落書』には当代歌人のひとりとして名を連ね,『千載和歌集』などにも入集。
(櫻井陽子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報