朝日日本歴史人物事典 「藤原公成」の解説
藤原公成
生年:長保1(999)
平安中期の公卿で歌人。幼名は犬といい,滋野井別当と称される。中納言実成と藤原陳政の娘の子。後一条天皇のときに蔵人頭を務め,万寿3(1026)年参議。祖父の太政大臣藤原公季の養子となって寵愛を受け,名前も祖父の命名である。頭中将になっても参内の折には祖父が同車し,公事に遅参したときなどには弓場殿の前で祖父が待っていた,という話が『大鏡』にみえる。長久4(1043)年に権中納言に昇進したが間もなく死去した。娘の茂子は後三条天皇の女御となり,院政の創始者白河天皇を生んでいる。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報