朝日日本歴史人物事典 「藤原実政」の解説
藤原実政
生年:寛仁3(1019)
平安時代中期の学者,漢詩人。藤原北家日野流の藤原(日野)資業の子。後三条,白河天皇の2代にわたって侍読(学問の師)を務め,また左中弁,参議を歴任,政治の中枢にも参画した。応徳1(1084)年大宰大弐となり九州に赴任。寛治1(1087)年宇佐八幡宮と争いを起こし,八幡宮の訴えにより翌年伊豆に配流,その地で没した。後三条天皇には長く不遇の皇太子時代から東宮学士として仕え,その信頼は厚く,『今鏡』『古事談』『古今著聞集』などにふたりの親密さを示すエピソードが載っている。漢詩作品は『中右記部類紙背漢詩集』所収の5首以外ほとんど残っていない。
(堀川貴司)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報