朝日日本歴史人物事典 「藤原範子」の解説
藤原範子
生年:生年不詳
平安末・鎌倉前期の後鳥羽上皇乳母。従三位。刑部卿三位と号す。刑部卿藤原範兼の娘。後鳥羽上皇の腹心の女房卿二位の姉。法勝寺執行法印能円の妻となり,在子(承明門院)を生む。高倉天皇の皇子尊成(後鳥羽)を引き取り養育したが,寿永2(1183)年夫能円が平氏と共に都落ちしたのちは,叔父の範季と尊成を育てた。その後,権臣源通親と結婚。通光,定通,通方らを生む。後鳥羽の女房となった娘在子が生んだ第1皇子為仁(土御門天皇)が即位するにおよんで,天皇の外祖母となった。後鳥羽は範子の病気を見舞ったり,その死後は追善のための仏事を催したりしており,両者の関係は極めて親密であった。
(秋山喜代子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報