土御門(読み)つちみかど

精選版 日本国語大辞典 「土御門」の意味・読み・例文・類語

つち‐みかど【土御門】

[1]
[一] 平安京大内裏外郭東面の上東門異称。また、西面上西門を西の土御門と称する。築地を切り抜いただけで、屋根のないところからいう。土御門大路に通ずる。
※枕(10C終)九九「雨まことに降りぬ。『などか、こと御門御門のやうにもあらず、このつちみかどしも、かう上もなくしそめけんと、けふこそいとにくけれ』などいひて」
[二] (「土御門大路」の略) 平安京の東西の通りの一つで、一条大路の二筋南にあり幅員一〇丈(約三〇メートル)。中央部は大内裏によって断たれ、左京の方を上東門大路(土御門大路)ともいい、ほぼ現在の上長者町通にあたる。右京の方はほぼ現在の仁和寺街道にあたる。
※平松本大鏡(12C前)一「さて土御門よりひんがしざまにゐていだしまゐらせ給に」
※雑俳・柳多留‐八七(1825)「地天泰雲の上にも土御門」

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デジタル大辞泉 「土御門」の意味・読み・例文・類語

つちみかど【土御門】

姓氏の一。平安時代以来、天文道・陰陽道おんようどうをもって朝廷に仕えた家系阿倍倉梯麻呂くらはしまろの子孫安倍晴明を祖とし、代々その業を世襲した。
[補説]「土御門」姓の人物
土御門通親つちみかどみちちか

つち‐みかど【土御門】

平安京大内裏外郭東面の上東門の異称。また、西面の上西門を西の土御門と称した。築地ついじを切り抜いただけで、屋根のないところからいう。

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世界大百科事典(旧版)内の土御門の言及

【暦】より

…977年(貞元2)没したが,その際家学のうち天文道を弟子の安倍晴明に,暦道を子の光栄(みつよし)に伝えた。以後,天文道は安倍家が代々つかさどることになり,のちには土御門(つちみかど)とも称し,全国の陰陽師(おんみようじ)を支配するようになった。賀茂家はのちには幸徳井と名のり江戸時代の終りまで作暦に携わっていた。…

※「土御門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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