虎は死して皮を留め人は死して名を残す(読み)トラハシシテカワヲトドメヒトハシシテナヲノコス

デジタル大辞泉 の解説

とらしてかわとどひとしてのこ

虎は死後その皮を永く残して珍重され、人は死後その偉業によって名が語り継がれる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 の解説

虎は死して皮を留め人は死して名を残す

虎は死後に毛皮が珍重され、人はりっぱなことをなすことによってたたえられ、死後に名を残すことができる。人は死後に名が残るような生き方をすべきである。

[使用例] 生田春月遺書は、鎗は錆びても名は錆びぬ。虎は死して皮を残し、詩人は死して名を残すというのであった[萩原朔太郎絶望逃走|1935]

[解説] 虎の皮はその美しさによって古くから珍重されました。日本に虎は生息しませんが、すでに飛鳥時代新羅からその皮が貢上されています。日本に虎が生息しないことは、よりその希少性を高めたことでしょう。希少性に鑑みるならば、ことわざは虎の皮と人の名をともに貴重なものとして並称していることになりますが、真意は虎と人とを対比させ、物ではなく名誉を残すことの大切さを語る点にあります。

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