虎拳(読み)トラケン

デジタル大辞泉 「虎拳」の意味・読み・例文・類語

とら‐けん【虎拳】

の一。近松門左衛門の「国性爺合戦」により、腰をかがめてつえをつく姿を母親こぶしを振り上げてにらむ姿を和藤内って出る姿を虎とし、母親は和藤内に、和藤内は虎に、虎は母親に勝つとするもの。酒席余興として行う。

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精選版 日本国語大辞典 「虎拳」の意味・読み・例文・類語

とら‐けん【虎拳】

  1. 〘 名詞 〙 酒席の座興にする拳遊戯の一つ。近松門左衛門の浄瑠璃国姓爺合戦」に基づき、和藤内・その母・虎の三者に模し、和藤内は虎に、虎は母に、母は和藤内にそれぞれ勝ち、三すくみとなる拳。和藤内は拳を上げて虎を打ち、虎は両拳ではう形、母は杖をつくようにする。
    1. [初出の実例]「もしきのさまとらけんはどふでござります」(出典:洒落本・通言総籬(1787)二)

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世界大百科事典(旧版)内の虎拳の言及

【拳】より

…このように1から10までと〈無し〉の11種で,これを中国語音で呼ぶ。
[三すくみ拳]
 おもなものとして狐拳(庄屋拳,藤八拳ともいう),虫拳,虎拳,石拳(じゃんけん)などがあるが,さらに狐拳から変容した柳拳,尾上拳,深川拳,ちょん脱拳,お上げのお手を,おいでなさい,廻り拳,供(とも)せ供せなどがある。また拳をつかわず,狐拳を言葉で行うめくら拳もある。…

※「虎拳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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