虫明瀬戸(読み)むしあけのせと

日本歴史地名大系 「虫明瀬戸」の解説

虫明瀬戸
むしあけのせと

なが島と北に横たわるこう(現和気郡日生町)の間に比定される。歌枕で「八雲御抄」の「渡」にみえ、「狭衣」と注される。虫明浜からは真東にあたり、両島の間から朝日が昇るため、朝日を詠じた歌も多い。往時の瀬戸内海航路は潮流の急な当地を経て、長島と虫明浜の間の海峡を通過した。「新勅撰集」に後京極摂政前太政大臣の歌として「浪たかきむしあけのせとにゆく舟のよるべしらせよおきつしほ風」、「続古今集」には藤原雅経の歌として「かげうつすそではうきねのわれからに月ぞもにすむむしあけのせと」がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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