精選版 日本国語大辞典 「平忠盛」の意味・読み・例文・類語
たいら‐の‐ただもり【平忠盛】
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平安末期の武将。平正盛(まさもり)の長男。清盛の父。白河(しらかわ)・鳥羽(とば)両院政のもとで軍事力の中心になって活躍した。1113年(永久1)に18歳で盗賊を追捕(ついぶ)して従(じゅ)五位下、左衛門尉(さえもんのじょう)になったのをはじめ、29年(大治4)に山陽・南海両道の、35年(保延1)には西海(さいかい)の海賊追討使に任命されて鎮圧するなど、武名を高めた。また、白河・鳥羽法皇の寵(ちょう)を得て、越前(えちぜん)、伊勢(いせ)、河内(かわち)、備前(びぜん)、美作(みまさか)、播磨(はりま)、但馬(たじま)などの国守を歴任する間に、西国地方の武士と主従関係を形成して勢力を拡大し、経済力を築いた。院庁(いんのちょう)にも進出して院領荘園(しょうえん)の支配にも腕を振るい、九州の神崎荘(かんざきのしょう)(佐賀県神埼(かんざき)市)で日宋(にっそう)貿易を行ったりした。そうした経済力を背景に、32年(長承1)鳥羽法皇のために得長寿院(とくちょうじゅいん)を造進し、その功によって内裏(だいり)での昇殿を許され、やがて刑部卿(ぎょうぶきょう)にまで進んだ。しかし、忠盛の経済的隆盛と急激な昇進は貴族層の反感も招き、忠盛が斜視であったため「伊勢の瓶子(へいし)(平氏)は酢甕(すがめ)(眇(すがめ))なり」と嘲弄(ちょうろう)されたり、殿上で豊明節会(とよのあかりのせちえ)の夜に闇(やみ)討ちされかけて反対に忠盛が威圧したという話などが残っている。仁平(にんぺい)3年正月15日、58歳で没したとき、左大臣藤原頼長(よりなが)は、「数国の吏を経、富巨万を累(かさ)ね、奴僕(ぬぼく)国に満ち、武威人にすぐ」と評し、そのひととなりは慎み深く奢侈(しゃし)な行いはなかったと、その死を悼んでいる。平氏繁栄の基礎を着実に築き上げた一生であった。歌才もあり『平忠盛朝臣(あそん)集』などがある。
[田中文英]
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1096~1153.1.15
平安後期の武将。正盛の嫡子。清盛の父。白河上皇に近侍し,院に昇殿。1108年(天仁元)左衛門少尉,検非違使(けびいし),ついで伯耆守などの受領(ずりょう)を歴任。29年(大治4)山陽・南海両道の海賊追捕に活躍。白河上皇没後は,鳥羽上皇の近臣となり,院別当として35年(保延元)には再び海賊追捕にあたる。この間,各地の受領などを歴任し,正四位上刑部卿。のち院領肥前国神埼荘の預所(あずかりどころ)として日宋貿易に関与。私家集「平忠盛集」。
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…旧国名。勢州。現在の三重県東部。
【古代】
東海道に属する大国(《延喜式》)。国名は,〈伊勢国風土記〉逸文に,伊勢津彦が国土を献じ,風を起こし波に乗って東方に去ったので,神武天皇の命により国神の名をとって命名したという説話がある。〈神風の〉という伊勢の枕詞もこれによる。国府は現,鈴鹿市国府町にあった。桑名,員弁(いなべ),朝明(あさけ),三重,鈴鹿,河曲(かわわ),奄芸(あむぎ∥あんへ),安濃,壱志(いちし),飯高,多気(たけ),飯野,度会(わたらい)の13郡を管する。…
…賜姓平氏のうち桓武天皇の皇子・皇孫に系譜をもつものの称(図)。桓武平氏に葛原(かつらはら)親王流・万多(まんだ)親王流・仲野親王流・賀陽(かや)親王流などがあり,さらに葛原親王流も高棟(たかむね)王流と高望(たかもち)王流とに分かれる。しかし,一般にはこれらの諸流のうちとくに高望王流の平氏を桓武平氏という場合が多い。
[東国の諸平氏]
葛原親王の子高見王(高棟王の弟)の子が高望王で,彼は889年(寛平1)8月に平姓を与えられ,上総介になったことから,その子孫が東国地方に繁衍(はんえん)する基が開かれた。…
…平物(ひらもの)。平忠盛は,鳥羽院の念願にこたえて得長寿院を造立した功により,36歳で初めて昇殿を許された。殿上人(てんじようびと)たちがそれを不快に思い,五節(ごせち)の豊明節会(とよのあかりのせちえ)のおりに忠盛を闇討ちにしようと計画した。…
※「平忠盛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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