蛍光顔料(読み)けいこうがんりょう(その他表記)fluorescent pigment

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蛍光顔料」の意味・わかりやすい解説

蛍光顔料
けいこうがんりょう
fluorescent pigment

蛍光を発する顔料総称で、無機質のものと有機質のものとがある。前者は夜光塗料にみられるように、光による刺激を止めたのちも、ある時間発光を続けるもので、後者は、ほかからの光の刺激中発光するものである。無機質の蛍光顔料の製法は、アルカリ土類金属あるいは亜鉛カドミウム硫化物母体とし、これらに蛍光の中心となる微量の金属(賦活剤)と、結晶の成長を促進させ賦活剤を結晶中に入り込みやすくする融点の低い物質(融剤)とを添加し、800~1200℃に焼成する。焼成後水洗いし可溶性成分を除く。塗料、印刷インキプラスチックに用いられる。

大塚 淳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android