改訂新版 世界大百科事典 「蜂蜜酒」の意味・わかりやすい解説
蜂蜜酒 (はちみつしゅ)
はちみつ中に約80%含まれる糖分を発酵させてつくった酒。英語ではミードmeadという。はちみつの糖分は大部分がブドウ糖と果糖で,水で薄めれば酵母が生えて発酵し,容易に酒となるので,はちみつ酒は古くからつくられていた。中国では蜜酒と呼び,北宋の詩人蘇軾(そしよく)(1036-1101)はみつで酒をつくり,蜜酒歌をつくった(《墨荘漫録》)という。現在イギリスやポーランドでは,本来のミードではないが,その系譜をつぐミードワインやミードリキュールがつくられている。前者ははちみつにワインおよび少量のスピリッツを,後者ははちみつにブランデーや生薬,香料を加えたもので,いずれも寝酒やカクテルに用いられる。
執筆者:菅間 誠之助
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報