い・ける【行】
- 〘 カ下一 〙 ( 「いく(行)」の可能動詞 )
- ① 行くことができる。
- [初出の実例]「コノ ミチワ ikeru(イケル)カ」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
- ② することができる。やっていくことができる。特に、うまくできる。じょうずにやれる。→いけもしない。
- [初出の実例]「それ、渋と脂とに固まる松。いけるものじゃない」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)二)
- 「学位は持っちゃ居らんけれど、独逸のいけるのは僕が知ってるからね」(出典:婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)
- ③ なかなかいいものである。多く、美しい、おいしい、すばらしいなどの意に用いる。→いけもしない。
- [初出の実例]「『すかねヱ子だがねヱ』『まだなれねヱからさ』『いけるのじゃねヱ』」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))
- 「鱧の皮、細う切って、二杯酢にして一晩ぐらゐ漬けとくと、温飯(ぬくめし)に載せて一寸いけるさかいな」(出典:鱧の皮(1914)〈上司小剣〉四)
- ④ 酒が、相当の量飲める。また、食物が相当の量食べられる。→いける口。
- [初出の実例]「未だ腹(おなか)が能(いい)かと思って、食て見たら、又いける」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)
ゆ・ける【行】
- 〘 カ下一 〙 ( 「ゆく(行)」の可能動詞 )
- ① 行くことができる。また、することができる。いける。
- [初出の実例]「『そいで、飯が食てゆけるんか』『そら、あかん。当分まだこっちゃから持ち出しや』」(出典:受胎(1947)〈井上友一郎〉)
- ② 酒が相当の量飲める。また、食べ物が相当の量食べられる。いける。
- [初出の実例]「この辛子漬では、何杯も行(ユ)ける」(出典:歌舞伎・傾城魔術冠(1766)二幕)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 