精選版 日本国語大辞典 「行歴抄」の意味・読み・例文・類語 ぎょうりゃくしょうギャウリャクセウ【行歴抄】 円珍の「行歴記(ぎょうりゃくき)」から頼覚が永承四年(一〇四九)に抄出別行したもの。一巻。円珍の入唐した時の旅行記で、当時の中国の事情を伝える。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
改訂新版 世界大百科事典 「行歴抄」の意味・わかりやすい解説 行歴抄 (ぎょうれきしょう) 円珍の入唐旅行日録《在唐巡礼記》(《行歴記》ともいう)の抄録。1巻。円珍が851年(仁寿1)4月に京を発して入唐し,858年(天安2)帰朝して翌年叡山に入るまで,9年に及ぶ旅行の詳細を記した《在唐巡礼記》5巻を,頼覚が1049年(永承4)に抄録。このうち853年8月に渡海を果たすまでの部分は,智勧が1194年(建久5)に追抄したもの。《在唐巡礼記》の伝わらぬ今日,日唐間の仏教交渉史料として貴重。円珍自身の求法記事のほか,円載,円基,円修ら入唐天台僧の行状,文挙,清観らの法系などに関し,独自の史料を伝える。原本は石山寺に伝わる。刊本は《大日本仏教全書》本や古典保存会本がある。執筆者:薗田 香融 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by