行空(読み)ぎょうくう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「行空」の解説

行空(2) ぎょうくう

?-? 鎌倉時代の僧。
浄土宗法然に師事して,「七箇条制誡(せいかい)」に署名したが,幸西らとともに一念義(寂光土往生義)をとなえ,建永元年(1206)破門される。翌年の「建永の法難」で佐渡(新潟県)に流された。美作(みまさか)(岡山県)あるいは美濃(みの)(岐阜県)の人とされる。号は法本房。

行空(1) ぎょうくう

?-? 平安時代中期の僧。
法華経(ほけきょう)を毎日12部,生涯に三十余万部読誦(どくじゅ)したという。六十余国を遊歴し,おなじ場所に2泊はしなかったので,一宿上人とよばれた。90歳で九州で死去したといわれる。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の行空の言及

【一念義・多念義】より

…弥陀の本願を信じておこす,ひとたびの念仏で往生できるとするのが一念義,往生には臨終までできるだけ多くの念仏を唱える必要があるとするのが多念義。前者は行空,幸西らの立義,後者は隆寛の主唱にかかる。一念義は法然の在世中から京都・北陸方面で信奉され,一念の信心決定(けつじよう)に重きを置き,多念の念仏行を軽視し,やがて否定した。…

※「行空」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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