衽・袵(読み)おくみ

精選版 日本国語大辞典 「衽・袵」の意味・読み・例文・類語

お‐くみ【衽・袵】

〘名〙 (「おおくび大領)」の転じた「おくび」の変化したもの)
和服の、左右の前身頃の前襟から裾まで縫いつける、半幅の細長い布。おくび。おおくび。
塔影(1905)〈河井酔茗〉失せたる針「黄昏(たそがれ)いそしむ解衣(ときぎぬ)の衽(オクミ)、下褄(したづま)、膝に乱れ」
② 江戸時代、歌舞伎劇場見物席の区切り余りの席。斜めについた花道両側に衽のような形になっている部分。おおくび。
※滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下「大首(オクミ)に居るいなかもの」
[語誌]→「おおくび(大領)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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