(読み)タン

普及版 字通 「袒」の読み・字形・画数・意味


10画

(異体字)但
7画

[字音] タン
[字訓] はだぬぐ・ほころびる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は旦(たん)。〔説文〕八上に正字を但とし「裼(かたぬ)ぐなり。或いは袒に作る」という。但はのち多く副詞「ただ」に用い、袒裼(たんせき)の意には袒を用いる。同意を示すときには左袒、自ら罪を請うときには袒跣する。受刑者は右をぬぎ、徒跣であった。また〔説文〕八上に「袒は衣解くるなり」とあり、その義にはのち綻(たん)を用いる。

[訓義]
1. はだぬぐ、かたはだぬぐ、袖まくる。
2. 加勢する、謝罪する。
3. ほころびる、とける、ひらく。

[古辞書の訓]
名義抄〕袒 ハダカ・ヌグ・アラハル・アラハス・トホシ・アラハ 〔字鏡集〕袒 ハダカ・アラハス・シヅカナリ・トホシ・ヌグ・アラハナリ・ホシイママ・カタヌグ

[語系]
袒dean、但danは声近く、もと同字。綻・deanは同声、綻は補綴すること、(たん)もほころびを縫う意である。

[熟語]
袒割・袒括袒肩袒胛袒左・袒袒飾・袒裼・袒跣袒肉袒縛袒膊袒臂袒免・袒袒右袒踊袒裸袒露
[下接語]
左袒・肉袒・偏袒・右袒裸袒

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【肩】より

…ここで左肩をはだけるのは悲しみの姿態である。一方,中国では左肩を脱ぐことを袒(たん)または左袒といい,吉事にも凶事にも行ったが,前漢の将軍周勃が呂氏一族の乱を鎮めようとしたとき,軍中に令して呂氏のためにする者は右袒し,劉氏のためにする者は左袒せよと言ったところ,全軍皆左袒した(《十八史略》)ことから,それは味方することを意味するようになった。また,謝罪のため右肩をあらわにすることを肉袒という。…

※「袒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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