裁判費用(読み)さいばんひよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「裁判費用」の意味・わかりやすい解説

裁判費用
さいばんひよう

民事訴訟に必要な訴訟費用には、裁判費用と当事者費用がある。訴訟を追行するに際して当事者が裁判所に納付しなければならない費用を裁判費用という。当事者費用と、刑事訴訟における訴訟費用については「訴訟費用」の項目を参照のこと。

 民事訴訟における裁判費用には以下のようなものがある。

(1)国の訴訟制度を利用するために当事者が国庫に納入する一種の手数料の性質を有するもので、訴状その他民事訴訟法上の提出書類に印紙を貼用(ちょうよう)して納付する費用
(2)当事者から裁判所へ予納しなければならない書類の送達の費用、証人・鑑定人・通事(日本語に通じない者などにつける通訳)などに支給すべき旅費日当・宿泊料ならびに裁判官・書記官など裁判所職員が事実の調査その他の行為を裁判所外でする場合に必要な経費(民事訴訟費用等に関する法律)
 なお、裁判費用には、訴訟上の救助制度を利用した場合に、その効力が及ぶ(民事訴訟法83条1項)。

[内田武吉・加藤哲夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の裁判費用の言及

【訴訟費用】より

…(1)民事訴訟において訴訟費用とは,訴訟の追行および審判のために必要なものとして,当事者および裁判所の支出した費用で,〈民事訴訟費用等に関する法律〉(1971公布)の定める範囲のものをいう。裁判所の行為につき支出される費用(裁判費用)と当事者自身が訴訟追行のために支出する費用(当事者費用)とに分かれる。裁判費用のうち申立て手数料(通常は訴額に応じて定まる)は,訴状等に印紙をはって納めることにより国庫に納入され,また証人の出頭につき支出される旅費・日当・宿泊料や鑑定料,送達の郵便料等は当事者が予納しなければならない。…

※「裁判費用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android