成年後見制度において、被補助人(「精神上の障害に因り事理を弁識する能力が不十分なる者」で、家庭裁判所から補助開始の審判を受けた者)に対して付される保護者をいう(民法15条)。
補助人には、被補助人が選択した特定の法律行為について「同意権と取消権」または「代理権」の一方または双方が付与される(同法876条の4)。補助人は被補助人の意思を尊重し、その心身の状態や生活の状況に配慮しつつ、同意権・取消権、代理権の範囲内で被補助人の身上看護や財産管理に関する事務を行わなければならない。補助人に取消権や代理権が付与されたことに伴い、補助人の適正な職務を担保するため、家庭裁判所は、必要があると認める場合、請求または職権により、補助監督人を選任することができる(同法876条の8)。補助監督人がいない場合で、補助人と被補助人との利益が相反するときは、補助人は臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない(同法876条の7)。
[池尻郁夫]
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