西吉本村(読み)にしよしもとむら

日本歴史地名大系 「西吉本村」の解説

西吉本村
にしよしもとむら

[現在地名]竜北町高塚たかつか

東は吉本村土穴瀬つちあなぜ、南は吉本村・新田しんでん村、北は下益城しもましき郡河江手永小川おがわ町・新田村(現小川町)、西は網道あみどう村と接する。現在の下高塚区および鹿島かしま開に成立した堺丸さかいまる区からなる。旧薩摩街道の東は台地で、中央の小高いところに高塚熊野座神社が鎮座する。西は字道添みちぞえの用水路に沿い縄文中期の貝塚がある。条里の遺構として字名「拾七」が現存する。字東原の金道の台地の一角から昭和三二年(一九五七)、五世紀頃の朝顔状の口縁をもつ古式土師器壺を伴う方形周濠墓が発見され、周辺一帯には須恵器・土師器の破片が広範囲にわたって散乱する。笠松かさまつ集落の「権内」には古墳があるが、未調査である。

古くは鞍楠くらぐす村とよばれ、建武二年(一三三五)五月八代庄の地頭名和義高が当地を熊野那智山に寄進した。後醍醐天皇綸旨(千家文書)によれば「肥後国八代荘地頭分内鞍楠村、寄進熊野那智山之由、被聞食畢者、天気如此、悉之以状、建武二年五月廿六日 大膳大夫(花押) 伯耆大夫判官館」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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