西塔院跡(読み)さいとういんあと

日本歴史地名大系 「西塔院跡」の解説

西塔院跡
さいとういんあと

[現在地名]大津市坂本本町

最澄発願の日本国六所宝塔のうち山城宝塔院のことで、法華千部西塔院とよばれ、九院十六院の一つ。現存しない。最澄在世中には構想のみで実際には建てられなかったようだが、実質的に自ら資材を投じて建立の願を発したのは西塔の検校になった延最であった。「叡岳要記」に元慶二年(八七八)塔婆を本誓地に構うとあるのは延最によるのであろう。延最の志を継承した弟子静観(増命)の時、宇多法皇が比叡山行幸、半作にも及ばぬ塔基をみて、早い完成を命じた。延長元年(九二三)増命は五仏中台の大日如来像を造り、西塔院が完成したと伝える(叡岳要記・九院仏閣抄)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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