精選版 日本国語大辞典「静観」の解説
せい‐かん ‥クヮン【静観】
〘名〙
① 心静かに観察すること。
※艸山集(1674)二三・山居「細雨密雲盈二碧虚一、静観林樹日扶踈」
※卍庵仮名法語(18C中か)「夫れ公卿太夫士農工商ともに千種万般の家事あり、何ぞ終日黙坐静観するの暇あらんや」
② あることがらが自分に関係するにもかかわらず、それに手出しをせずにじっとしていること。「事態の推移を静観する」
③ 対象の表面的な知覚にとどまらず、その本質的なものまで心眼でみきわめること。諦観。観照。
※海潮音(1905)〈上田敏訳〉マラルメ文「物象を静観して、これが喚起したる幻想の裡自から心象の飛揚する時は『歌』成る」
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