西船生河岸(読み)にしふにゆうがし

日本歴史地名大系 「西船生河岸」の解説

西船生河岸
にしふにゆうがし

[現在地名]塩谷町船生 船場下

安政四年(一八五七)四月一日、上平うわたいら河岸とともに鬼怒川左岸に開設された。同川最上流の河岸であった。開設に至る過程で、周辺林業地帯を領していた宇都宮藩の積極的な取組みがあった。前年の一月に同藩家老間瀬和三郎(のちの高徳藩主)幕府に提出した両河岸の取立願書控(上野虎四郎文書)によると、(一)安政の大地震で材木が払底した江戸に高原山麓の材木を供給する、(二)会津地方の材木や炭の移出の便と同地方への安価な塩の供給、(三)会津藩廻米をはじめとする商品流通の便などを理由としてあげている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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