要求米価(読み)ようきゅうべいか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「要求米価」の意味・わかりやすい解説

要求米価
ようきゅうべいか

農業団体,農民などが生産者米価引き上げを要求して示す米価。米の生産,流通を厳しく規制した食糧管理法のもとでは,生産者米価は米価審議会答申によって政府が決定することになっており,その決定にあたっては米穀需給関係,生産費・所得補償方式が斟酌された。農業団体などでは,米価審議会が開催される 7月頃に独自の算式によって要求すべき米価を定め,政府,米価審議会に圧力をかけることが毎年の慣例となっていた。1995年に食糧管理法が廃止され,代わって施行された主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(食糧法)に基づいて,政府を介さずに流通する自主流通米が増加,米の流通の自由化が進み,2001年には米価審議会も形骸化して廃止された。2004年の食糧法改正では政府の買い入れ,売り渡しが入札制となったことから価格は競争原理で決められることになり,生産者米価,消費者米価という制度も廃止され,要求米価もなくなった。

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