仏を観ずること、仏の相好功徳(そうごうくどく)を観想すること。なかでも仏の色や形を観ずるのを色身観(しきしんかん)(または応身観(おうじんかん))、仏の本質的属性(功徳)を観ずるのを法身観(ほっしんかん)、仏は諸法の実相(存在するものの真実の相)であると観ずるのを実相観(じっそうかん)(または真身観(しんじんかん))という。『往生要集』巻上末によると、仏の相好の一つ一つをみる別相観(べっそうかん)、相好光明を全体としてみる総相観(そうそうかん)、略して白毫相(びゃくごうそう)だけをみたり、仏名を唱えたりする雑略観(ぞうりゃくかん)などがある。また仏や浄土を自己の心の中に想いみるのを約心観仏(やくしんかんぶつ)(即心念仏)という。仏身をみること、また自己の仏性(ぶっしょう)(仏たりうる可能性)をみることを見仏(けんぶつ)ともいう。
[伊藤瑞叡]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…三昧とは禅定(ぜんじよう)ともいわれ,心を集中して心が安定した状態に入ることである。禅定の追求が継承されていくなかでその方法が具体的に形成されることとなり,観仏・観法などの修行の仕方が明らかにされていく。観仏とは,釈迦や阿弥陀などの仏のすがたやその功徳(くどく)を心に思い浮かべて禅定に入っていくことで,観法とは,心を集中し真理を心に思い浮かべて,それを観察し念ずることである。…
※「観仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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