禅定(読み)ぜんじょう

デジタル大辞泉の解説

ぜん‐じょう〔‐ヂヤウ〕【禅定】

《「禅」は、梵dhyānaの音写「禅那」の略。「定」はその訳》
仏語。思いを静め、心を明らかにして真正の理を悟るための修行法。精神を集中し、三昧(さんまい)に入り、寂静の心境に達すること。六波羅蜜の一。「禅定に入る」
修験道で、白山立山などの高い山に登って行う修行。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぜんじょう【禅定】

〈禅〉はサンスクリットのディヤーナdhyāna,パーリ語のジャーナjhānaから転じた音,〈定〉はその意味をおのおの示している。身体を安静に保ち,心静かに人間本来の姿を瞑想すること,心を一つに集中させ,動揺させないことである。古代インドでは仏教以前から広く行われていた修行法の一つであるが,仏教におけるもっとも代表的な修行法ということができる。大乗仏教の修行法である六波羅蜜の第五にあたり,修行法の中心といえ,また三学(さんがく)(戒・定・慧)の一つである。

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大辞林 第三版の解説

ぜんじょう【禅定】

〘仏〙 〔禅と定。「定」を samādhi の訳語「三昧さんまい」とする説と、 dhyāna の訳語とする説がある〕 精神をある対象に集中させ、宗教的な精神状態に入ること。また、その精神状態。
富士山・白山・立山などの霊山に登り、行者が修行すること。 「立山-申さばやと存じ候/謡曲・善知鳥」
〔霊山の山頂で修行したことから〕 山の頂上。絶頂。 「この山の西の方より黒雲のにはかに-へ切れて/義経記 4

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぜん‐じょう ‥ヂャウ【禅定】

〘名〙
① (「禅」と「定」の合成語。dhyāna の訳語であるが、また、dhyāna を音訳した「禅那」を略した「禅」を「定」と合成したもので、「定」はもとsamādhi の訳語で、心を一つの対象に注いで、心の散乱をしずめるのが「定」、その上で、対象を正しくはっきりとらえて考えるのが「禅」) 仏語。仏道修行の一つで、三学・六波羅蜜の一つ。心を一点に集中し、雑念を退け、絶対の境地に達するための瞑想。心を統一して静かに対象を観察し、思索して真理を悟ること。坐禅によって無念無想になること。
※法華義疏(7C前)一「如来。無礙力無畏禅定解脱三昧諸法皆深成就故。云広大甚深無量
※源平盛衰記(14C前)一九「或時は高声多言にして、傍若無人也。或時は柔和神妙にして、禅定(ゼンヂャウ)に入るが如く也」 〔法華経‐安楽行品〕
② (高い山が信仰登山の対象となったところから) 高い山の頂上をいう。霊山の頂上。
※太平記(14C後)一八「客人宮は、十一面観音の応作、白山禅(セン)定の霊神也」
③ (━する) 富士山、白山、立山などの高い山に登って、信者が修行すること。
※廻国雑記(1487)「かくて立山禅定(ゼンヂャウ)し侍りけるに」
※三帖和讚(1248‐60頃)高僧「源空存在せしときに 金色の光明はなたしむ 禅定博陸まのあたり 拝見せしめたまひけり」

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世界大百科事典内の禅定の言及

【観念】より

…仏教ではもともと三昧(さんまい)を追求することが基本となっている。三昧とは禅定(ぜんじよう)ともいわれ,心を集中して心が安定した状態に入ることである。禅定の追求が継承されていくなかでその方法が具体的に形成されることとなり,観仏・観法などの修行の仕方が明らかにされていく。…

※「禅定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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