観念劇(読み)かんねんげき(その他表記)theatre of ideas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「観念劇」の意味・わかりやすい解説

観念劇
かんねんげき
theatre of ideas

劇の発展感情に訴えるおもしろさではなく,ある理念を追究しようとする劇。テーマは現代社会に関連するものが多い。それぞれ対立する意見を登場人物が主張し議論しあうなど,さまざまな形態がみられるが,提起された主題や問題の解決ではなく,論争や思考の過程そのものに意味がある。したがって観念劇は,三一致法則はもとより,たとえば G.フライタークの唱えた戯曲構成5段階,すなわち発端上昇クライマックス反転終局 (カタストロフ,大団円) などの,劇作上の約束事や規則にとらわれない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android