観測機(読み)かんそくき(その他表記)observation airplane

改訂新版 世界大百科事典 「観測機」の意味・わかりやすい解説

観測機 (かんそくき)
observation airplane

戦場偵察や監視,砲撃などの効果の確認,空中からの作戦の指揮統制などの任務を行う軍用航空機で,比較的小型の飛行機(グラマンOV1など)またはヘリコプター(ヒューズOH6など)が使用され,通常,偵察機が担当するよりも狭い範囲の戦場において使用される。なお暴動鎮圧用に武装を施した観測機(ロックウェルOV10など)もある。空中からの観測の有効性に最初に着目したのは,フランス共和国軍で,1793年に係留気球を装備した観測部隊を編成し,94年のモーブージュの戦で使用している。19世紀においても,南北戦争などで気球が活躍した。第1次世界大戦以降では,推進力をもち,所望地点に飛行できる飛行船も利用された。しかし,気球や飛行船は敵からの攻撃に対して弱いなどの致命的な欠点を有するため,1911年にイタリア軍が偵察に飛行機を使用して以来,飛行機の発達とともに,空中からの観測は飛行機に移った。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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