言捨(読み)いいすて

精選版 日本国語大辞典 「言捨」の意味・読み・例文・類語

いい‐すていひ‥【言捨】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「いいずて」とも )
  2. 言ったままで、答えを待たないこと。返事を待たずに、言いっぱなしにすること。
    1. [初出の実例]「朝飯(てうはん)楽屋へ差越せと、いひ捨(ステ)にして早身拵へ」(出典:浮世草子・風流曲三味線(1706)四)
  3. ( ━する ) 俳諧用語。詠んだ句を正式に懐紙に記録しないで、即座の興で詠み捨てること。また、その句。おもに中世純正連歌に対して座興として行なわれた俳諧連歌をいう。
    1. [初出の実例]「阿彌陀仏連歌ただ三人せむと仰事あり。いひすてならんこそ念なけれ、少将おぼえよ」(出典:弁内侍日記(1278頃)建長二年八月十五夜)
  4. ( が誤用されて ) 点取り俳諧に対し、点取りをしない俳諧のこと。
    1. [初出の実例]「書中の奥の彌生つこもり いひすてもこれのみを待時鳥」(出典:俳諧・信徳十百韻(1675))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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