精選版 日本国語大辞典 「言葉書き」の意味・読み・例文・類語
ことば‐がき【言葉書・詞書】
- 〘 名詞 〙
- ① ことばを書くこと。言ったことを書きとどめること。また、そのもの。
- [初出の実例]「此道に長ずる詞書になづませるを第一として、其おもふまま遊びをさもあるべう書ゆへ」(出典:浮世草子・好色破邪顕正(1687)下)
- ② 和歌の前書き。その歌の作られた場所、時、事情などを簡単に紹介したもの。
- [初出の実例]「歌の言葉がきにも、花見にまかれりけるに、はやく散り過ぎにければ、とも」(出典:徒然草(1331頃)一三七)
- ③ 絵巻物や絵本などの絵の前後または画中に内容の説明を書きそえること。また、その文。説明文。
- [初出の実例]「障子には年中行事を絵にかかれて、経朝の御言葉がきなどして」(出典:五代帝王物語(1302‐27頃)後深草)
- ④ 絵本の画中人物などの対話を書いたもの。
- [初出の実例]「拙き筆に言葉書(コトバガキ)では、〈略〉、左にしるすを見て解したまへ」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)四)
- ⑤ 歌舞伎の用語。台帳のうち、役者のせりふを記した部分。せりふがき。
- [初出の実例]「ト書と云 これは詞書のかたわらに割書する」(出典:戯場訓蒙図彙(1803)三)