記念騎馬像(読み)きねんきばぞう(英語表記)Equestrian monuments

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「記念騎馬像」の意味・わかりやすい解説

記念騎馬像
きねんきばぞう
Equestrian monuments

戦勝者の肖像を騎馬姿で残した記念像。戦勝者の功績を記念する習慣は古代ローマ時代からあるが,ルネサンス期にいたり,単なる英雄崇拝ではなく,個人の才能や実力への賛美憧憬という新たな意義を体現して復活,流行し,傭兵隊長や公国僭主らの騎馬像が盛んに制作された。この期を代表する青銅騎馬像にはドナテロの『ガッタメラータ騎馬像』,アンドレア・デル・ベロッキオの『コレオーニ騎馬像』があげられ,古代ローマの『マルクス・アウレリウス騎馬像』を加えて「三大騎馬像」とされる。またこれらの傑作に規模,力量ともにまさる『フランチェスコ・スフォルツァ騎馬像』がレオナルド・ダ・ビンチによって計画され,モデル公開までされたことが知られているが,当時のミラノ政情によって鋳造されなかった。なお絵画ではシモーネ・マルティーニ『グイドリッチオ・ダ・フォリアーノの騎馬像』,パオロ・ウッチェロ『ジョン・ホークウッド騎馬像』,アンドレア・デル・カスターニョ『ニッコロ・ダ・トレンティーノ騎馬像』が著名。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android