設く(読み)マク

デジタル大辞泉 「設く」の意味・読み・例文・類語

ま・く【設く】

[動カ下二]
前もって用意する。設ける。
頂髪たぎふさの中より、―・けし弦を採り出して」〈・中〉
その時節を待ちうける。また、待ちうけた時節になる。
「磯のたぎつ山川絶えずあらばまたも相見む秋かた―・けて」〈・三六一九〉

もう・く〔まうく〕【設く】

[動カ下二]もう(設)ける」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「設く」の意味・読み・例文・類語

ま・く【設】

  1. 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
  2. あらかじめ用意する。準備して待つ。もうける。
    1. [初出の実例]「さし向ふ 鹿島の埼に さ丹塗の 小船を儲(まけ)」(出典万葉集(8C後)九・一七八〇)
  3. 心の準備をして待つ。
  4. 特に、季節や時の来るのを心待ちに待つ。待ち受ける。待ち受けた結果、その時になるの気持をこめて用いることが多い。→片設(かたま)く
    1. [初出の実例]「夏儲(まけ)て咲きたるはねずひさかたの雨うち降らば移ろひなむか」(出典:万葉集(8C後)八・一四八五)

もう・くまうく【設・儲】

  1. 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙もうける(設)

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